2012年04月

赤痣症状に関する実験が開始される



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 ホムトンバナナを栽培する上で大きな問題のひとつとなっている赤痣症状の原因究明については、以前よりチュムポン県メージョー大学植物栽培技術科のパニダー・ガンタート先生によって行われていますが、昨日(25日)はその一環として水溶性のキトサンを使った実験がチュムポン組合のバナナ産地において開始されました。(キトサンとは、カニやエビの殻などの細胞壁に含まれる動物性植物繊維のキチン質という物質から抽出された生物資源で、人体にも免疫力の向上等の好影響が確認されています。今回使用したキトサンは、エビの殻を材料に大学側が作ったものですが、念のため安全性を考慮して今回対象となるバナナにはすべて目印を付け、生産者に対しては“出荷はしないが、我々が必ず買い取る”という旨の条件に同意していただいた上で、実験に協力していただくことになりました。)パニダー先生によると、これまでの研究で赤痣症状の出ている表皮部分には細胞の損傷や虫に食われた痕などは一切見られず、ただ正常な表皮と比べて乾燥しているだけに過ぎないということで、キトサンを使用して表皮を強くしてあげれば解決する問題なのではと推察されたようです。今回実験の対象となったのは、赤痣症状で悩まされているバナナ生産者のニポンさんと、その息子のプーワドンさんの2圃場です。今回の実験では一般的な農作物で生長促進と病気予防効果がタイの科学技術省による実験でも実証されているキトサンが、果たしてホムトンバナナにも同様の効果があるのかどうかといった点を確認するのが主な目的となっています。ニポンさんの圃場では葉面散布(花芽含む)を行い、1.キトサンの効果の有無。2.植え付けから3か月後、6か月後、出蕾後、実が形成されてからのいずれの時期の施用が最も効果的か、の2点を確認。一方プーワドンさんの圃場では植え付けから収穫まで定期的に葉面散布と土壌潅中を行い、その効果の程を確かめます。
 ニポンさんによると、赤痣症状はバナナの実が太くなって互いに触れ合うようになると急に出始めるということで(写真1参照)、まだ実が細く互いに触れ合わない状態の時はいたって綺麗だという話です。(写真2参照)実際にいくつかのバナナを確認してみましたが、ニポンさんの言われる通りでした。

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<写真1>

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<写真2>


 話は変わりますが、ニポンさんは以前に小川孝郎さんから、バナナの幹は栄養の塊だという話を聞き、これまでは収穫後に切りっ放しにしていたバナナの幹(下の写真参照。ニポンさんの横にあるのが、収穫後のバナナの幹の状態です。)を材料に、これから鶏糞堆肥と液肥を作る予定でいるそうです。

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 こうした生産者の皆さんの頑張りが少しでも報われるよう、少しでも早いうちに赤痣症状の問題が解決することを願ってやみません。


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