南部産地で突風被害発生



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 先日24日の朝、タイ南部気象局から南部~深南部7県(スラタニ、ナコンシータマラート、パッタルン、ソンクラー、ヤラー、パッタニ、ナラティワート)の住民に対し、26日ごろまで集中豪雨や河川の氾濫が発生するとして強風・強雨注意報が出ていましたが、ホムトンバナナ生産地のあるチュムポン県の一部地域では、一足先に同日午前2時頃から約5時間もの長時間にわたって突風を伴った集中豪雨が発生。これにより、トゥンカーワット農民会とチュムポン県無農薬ホムトンバナナ生産組合の生産地のあるナイトゥン地区とナムチャー地区において、数多くのバナナの木が倒れる被害が発生しました。
 本日25日、被災状況確認のためいくつかの圃場を見て回りましたが、両地区のおおよその被災率はナムチャー地区で5割、ナイトゥン地区で7割と非常に高く、圃場によっては被災率が100%といったところもありました。傾向としてはやはり山の麓にある圃場の被災率が高いようです。

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 ひとつひとつ圃場を見て回っているうちに、“他の皆はどんな様子なのか”と被災した生産者らが一人、また一人と自然に集まり始め、生産者同士で互いの圃場の様子や、自分の知っている限りの近隣圃場の様子について意見交換をし始めました。中には今回の被災のショックが大き過ぎて涙目になっている方もいたため、場の空気的に写真撮影を控えざるを得ない状況になることもありましたが、生産者の多くは“参った、参った。でも頑張って一からやり直すしかない”と前向きな感想を述べる方が多く、中には“俺らにはゴムやパーム椰子があるから、生活はなんとかなる。むしろ大変なのはあんたらだな。これだけの量のバナナが駄目になってしまったら、会社が潰れてしまうんじゃないか?はっはっはっ!”と逆に心配されてしまいました。生産者の皆さんのメンタルの強さには、頭の下がる思いです。下の写真は今回の突風で圃場内のバナナが全滅してしまったナムチャー地区のマナット・プラウデーンさんですが、彼も“今回は本当に参った。しかし苗はまだある。また一からやり直すことにするよ。”と必ず復活してまた日本へバナナを送り届けてくれることを約束してくれました。有難いことです。

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 今回発生した突風と集中豪雨では、倒木以外にも葉割れの被害が非常に多く発生しています。これにより、生育不良や果肉異常といった二次被害が懸念されます。被災の詳細については、詳しい状況を確認出来次第、改めてお知らせします。

下の動画は、現地スタッフが産地の様子を撮影したものです。